乳幼児が交通事故に遭遇した場合に考えられる後遺症とは

交通事故に遭遇すると、場合によっては被害者に何らかの後遺症が残ってしまうことも少なくありませんよね。特にまだ未発達な乳幼児が交通事故に巻き込まれてしまうと、非常に重篤な後遺症が残ってしまうことも多いと言われています。

そこで今回は、乳幼児が交通事故の被害者となった場合に考えられる後遺症について解説します。


乳幼児の交通事故の原因や特徴

乳幼児の交通事故に関しては、例えば乳児であれば「親の交通ルールミス」や「車の違反行為による巻き込まれ事故」が多いとされています。また幼児の場合は「親が想定できない突発的な行動」や「親の見守り不足」などが原因で、交通事故に巻き込まれてしまうケースが後を絶たないとされています。

これらの乳幼児が乗車していなかったケースでの交通事故の特徴としては、巻き込まれる側になってしまうことが多いのはもちろん、親の行動や見守りに問題があることも少なくないようです。また乳幼児が親とともに車に乗っている場合の原因として挙げられているのが、「チャイルドシードの未装備」または「間違ったチャイルドシートの使用」だと言います。

実は日本でチャイルドシートが導入されてからまだ55パーセント程度しか実際に使用している人がいないと言われていて、実際に使用している人でも助手席に装着するなど間違った使用方法を実践している人が少なくありません。

このような親側の過失によって交通事故に巻き込まれてしまう乳幼児は後を絶たず、成人と比較すると未成熟な体は簡単に後遺症を引き起こしてしまうと危惧されているのです。

最も注意しなければいけない後遺症は「植物状態」

乳幼児は成人と比較すると体や臓器が未発達であるという特徴を持っていることから、全体的に柔らかい構造をしています。特に頭部に関しては頭蓋骨が成人よりも柔らかく骨の継ぎ目も完全にふさがっているわけではないため、頭部に大きなダメージを受けることは直接脳にダメージを受けることと同じ意味だと言われています。

しかも乳幼児が交通事故に遭遇すると最も損傷を受けやすいのが頭部だと言われているため、後遺症が起きやすい原因とも考えられているのです。

そんな乳幼児が交通事故に遭遇した場合に最も注意しなければいけないのが、植物状態になってしまうことだとされています。植物状態とは重度の脳障害のことを指していて、呼吸や循環など生命維持のための機能は残されているもののそれ以外の機能が不全状態に陥っているものを言います。

このため呼吸をしたり心臓そのものは動いているのに意識は戻らない、生命維持のための措置を行わないと生きていくことができない状態となってしまうのです。一般的に植物状態になった乳幼児は稀なケースであるとされているものの、交通事故の内容や頭部外傷の状態によっては引き起こされる可能性はあります。

ここで注意しなければいけないと言われているのが、植物状態の場合は交通事故の慰謝料請求から除外されてしまう可能性があるという点です。そのためどんなに重篤な状態であっても損害賠償に上乗せできなくなることも考えられるだけではなく、今後回復の見込みが不明瞭であるという点も注意が必要と言われる理由となっています。


代表的な後遺症:高次脳機能障害

そして交通事故の後遺症として代表的なものとして知られているのが、高次脳機能障害と呼ばれているものです。高次脳機能障害は人格や記憶力に変化が起きてしまうもので、乳幼児の場合はその時には気づかないケースもあるのですが成長していくと発達障害や行動障害などが発見されるケースも珍しくありません。

このような高次脳機能障害を持ってしまうと将来的に大きな問題を抱えることになるだけではなく、子供の将来そのものを制限しかねないという事態に陥ってしまうのです。このため高次脳機能障害と交通事故の後遺症で認定された場合、本人やその両親に対しての精神的かつ肉体的な苦痛が大きいとして慰謝料を請求・増額することが可能とされています。

特に乳幼児の場合は障害を抱えて生きていく時間が成人よりも長いことから、通常よりも高い慰謝料を請求できると言われているようです。ただこのように慰謝料を多額に請求できたとしても負担や苦痛を軽減することができるわけではないため、今後どのように障害を抱えて生活していかなければいけないのかを考えなければいけません。

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乳幼児はむち打ちにはなりにくい?

ここで気になるのが、交通事故の後遺症でよく知られているむち打ちは乳幼児の場合はなりやすいのかどうかという点です。成人の場合は交通事故に遭遇した際の衝撃で、首が鞭のようにしなってしまった結果として首や肩などに持続的な痛みを抱えるものを言います。

このため正式には外傷性頚部症候群や頚椎捻挫、頚部挫傷と呼ばれていて、治療や通院にかかった費用は慰謝料として加害者に請求することが可能です。そのため乳幼児がむち打ちになった場合も、もちろん加害者に請求することが可能となっています。

ただ乳幼児の場合は、成人と比較すると後遺症としてむち打ちにはなりにくいとされています。理由としては乳幼児は成人と比較すると体が柔らかいため、交通事故の衝撃を受けても首が鞭のようにしなるということがほとんどありません。

また乗車している時にはチャイルドシートで保護されているので、首やその周囲は守られていることも理由だと言われています。ただ正しくチャイルドシートが装着されていない場合にはむち打ちになる可能性も考えられますし、むち打ち以上に頭部外傷を受けるリスクの方が高いとされています。

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乳幼児の後遺症は脳に関連するものが多い

乳幼児が交通事故に遭遇した場合、最も衝撃を受けやすいのが頭部であることから想定される後遺症の多くが脳に関連するものだと考えられています。植物状態の場合は稀なケースであることから意識が戻るのかどうかも不透明だとされていて、仮に意識が戻ったとしても何らかの障害が残ってしまうというリスクも想定しておかなければいけません。

そして高次脳機能障害になってしまうと将来的な負担や苦痛が大きく、子供の将来を制限されてしまうリスクや介護の必要性などを踏まえると大きな問題となっています。このような点から乳幼児が交通事故に遭遇した場合の慰謝料や損害賠償はかなり高額となるケースが多く、場合によっては相場以上の慰謝料を請求できることもあると言います。

ただ支払われる慰謝料で乳幼児のその後の生活をカバーしきれるというわけではありませんし、後遺症そのものは治療できないものが多いため残りの人生で一生背負っていかなければいけないものです。

その点を理解した上で、乳幼児と外出したり車に乗せる場合には交通事故に遭遇しないように細心の注意を払っておくことが大切だとされています。